ジェネリック医薬品普及率の国際水準への向上を目指した推進活動の展開

――国際化に対応する活動の基本方針――

ジェネリック医薬品協議会(理事会、2008年6月27日)

  1. わが国のジェネリック医薬品普及率は欧米先進国に比べて極めて低く、特に次の事項について、日本だけが他の先進国とは異なった特別な事情のもとにある。その原因を徹底的に解明することは、ジェネリック医薬品推進活動を展開するにあたって不可欠であると考える。

    1. 國際薬学連合(FIP)は、1997年ヴァンクーバーにおける年会で、ジェネリック代替調剤を薬剤師の調剤権とする確認宣言を行った(FIPヴァンクーバー宣言)。現在わが国では、医師は処方箋に押印することにより、理由を明示せず、「ジェネリック医薬品への変更不可」とすることができる。
    2. わが国の製剤技術並びに改正薬事法、GVP, GPSP,及びGMPによる規制レベルが世界最高水準にあることは広く認められており、ジェネリック医薬品の品質が先発品に比べて劣るとは考えられない。行政当局もそれを前提にジェネリック医薬品の製造販売を承認しているはずである。したがって、もしジェネリック医薬品が品質的に先発医薬品に比べて劣るなら、行政当局は、摘発して処分を行うべきと考えられるが、それが実施されたことは聞いていない。しかし、わが国におけるジェネリック医薬品は品質的に先発医薬品に劣る、という漠然とした風潮が醸し出されようとしている感がある。
    3. 米国では、先発品の特許期間満了後、承認申請時の資料が全面公開されるが、わが国ではそのような仕組みになっていない。もし全面公開されるなら、先発品と品質的により同等で、しかも製造販売承認申請資料の省略できる部分が拡がりより安価なジェネリック医薬品が医療の場に供給されることになる。


  2. 上述のことを踏まえ、当協議会は次の推進活動を展開する。

    1. 薬学の科学と職能に関して世界の頂点にある国際薬学連合(FIP)が、ジェネリック代替調剤を薬剤師の調剤権として確認宣言していること(FIPヴァンクーバー宣言)、並びにジェネリック医薬品普及率が、欧米でほぼ約50-60%であるのに比べてわが国では実質10%以下であることは医療の国際化の観点から極めて重く受け止めるべきである。このことを国民によく認識してもらうための啓発活動を行う。
    2. わが国の製剤技術並びに改正薬事法、GVP, GPSP,及びGMPによる規制レベルは世界最高水準にあることは広く認められているところであり、一般にジェネリック医薬品の品質が先発品に比べて劣るとは考えられない。このことにつき国民に正しい理解を求める啓発活動を行う。
    3. 行政当局に対して、ジェネリック医薬品の製造販売の承認を与えるとき、米国で実施されているように、先発医薬品と同等であることを第3者機関等の試験結果に基づいて保証することを要望する。
    4. 行政当局に対して、ジェネリック医薬品の品質管理策(監視・査察体制)を強化し、先発医薬品に比べて劣る事実が発見された場合、当局が厳重な処分を行える新たな仕組みを提案する。
    5. 医師が処方するとき、「ジェネリック医薬品への変更不可」とする場合は、FIPヴァンクーバー宣言の理念に基づき、その理由を少なくとも調剤者である薬剤師に明示するよう働きかけていく。
    6. 先発品の特許期間満了後(再審査期間終了後)、米国で実施されているように、行政当局が承認申請時の資料及び再審査期間中に得られた資料を、国民の財産として広く全面公開できるような仕組みをつくり提案していく。